« 人との深い関係 | トップページ | 朝の生産性 »

自分に負ける

これまで、坂本には、失敗の経験がほとんどなかった。しかし、闘病の直後にハードワークをこなせる体力は戻ってなかった。集中力が持たず、神経が衰弱する。納期は迫る。

生まれて初めて「クビにしてくれ」と思い、単独での楽曲制作を諦めた。「僕は自分に負けたんです」という。

「やっと一人前になった」

彼はまた、新しい音を手に入れたのかもしれない。これまで知らなかった挫折を知って。

坂本龍一氏のインタビューからの引用

このインタビュー記事を読んで変な言い方だけれど、私はちゃんと自分に負けてこなかったということに気づかされた。
負けを認めないというのにニュアンスが近いのだけれど、ちょっと違う。
負けだとわかったら、「はいはい、負けましたよ」とあっさり認めてさっと素通りしたり、「これはこれでいい勉強になった」などときれいな布でぐるっと巻いてしまって、きれいな部分しか見ないのだと思う。
負けて一人前というのは、私の場合、負けてその苦痛をどっぷり味わったら一人前になるのかも‥とぼんやり感じた。

空が青い。
自分のオフィスから眺めるごちゃごちゃした外の風景が好きだ。
ごちゃごちゃしているので、少ししか空が見えないところも気に入っている。
広く空が見られるところはたまに行くととても気持ちいいが、ずーっとそういう場所にいるのはしんどいんじゃないかと思う。
隠れる場所がない。
全部自分が周囲から見えるというのは、多分苦手だと思う。
これは自分に自信がないということとつながっているんだろうな。

海外からきていたサッカーの監督が日本にいない間に突然解任され、その方が日本にきて記者会見を開いたというニュースが流れてきた。
一部に書かれている通り、雇っている日本側がまったくその人に問題点を話しておらず、いきなり解雇だとしたら、アメリカの会社だったら、労働争議になるのはもちろんだし、さらに、アメリカ人が最も嫌う「フェアじゃない」という話になるだろう。
問題のある従業員には、何が問題かを必ずフィードバックする。その際にどう改善すべきかを具体的に指示するかどうかはボス次第だ。
本人に考えさせるのは、上司の怠慢では決してない。
問題点を指摘したにもかかわらず、改善がみられないと判断されればアウトになる。
そもそも問題点の話し合いがなければ、それが本当に問題点として捉えることが正しいのかもわからないだろう。

でも、日本の会社だったらどうだろう?
上長から、「部下から色々不満が出ているようだよ。うまくやってくれ」みたいな曖昧な話が多いような気もするし、そもそもそれすらないこともあるだろう。
部下も不満をもらしているし、本人はわかっているはずだ…みたいなやつだ。

この種の明示されないコミュニケーションが、わからない人は「空気が読めない(=「仕事ができない」につながる)」と判断されることも多い。
こういったコミュニケーションは、同質性が高い場合にのみ機能するので、男性がマジョリティの会社で女性が苦労するケースの1つだ。
ここにまったく育った環境と文化の違う外国人が入ってきたら、それはもちらろん機能しないだろう。

この手の相手の気持ちを推し量らないと仕事が進まないという環境は、当然だが、相手と一緒に過ごす時間が非常に重要だ。
在宅勤務は無理、飲み屋のお付き合いもしないと本音が読めない‥、という話になるだろうし、そもそも相手の気持ちを思い巡らすという回答があるようなないようなのは、時間もかかるし、非常に疲れる。
もちろん生産性も上がらない。

「働き方改革」というのは、単純に制度やシステムを整えることではないんだよなぁ。。
そもそもJob Descripitonが決まっていないから、成果の測り方が、「頑張っている」「よくやってる」みたいな曖昧なものになってしまうという、それ以前の評価制度から考え直していかないと、あまり意味のないものになるだろう。


« 人との深い関係 | トップページ | 朝の生産性 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 人との深い関係 | トップページ | 朝の生産性 »