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ホテルフフ山梨:滞在2日目

滞在2日目。
なんの予定も立てず、やるべきこともまったくないってすごいことだな‥と思う。
まぁ、まず家事がまったくない。
食事は用意されるわけだし、部屋だって汚れれば掃除してくれる。
これがかなりすごい。

旅行も誰かと一緒だとある程度段取りが必要になる。
観光をするにしろ、しないにしろ、全く気を使わずに済ませることはできないだろう。
そういう意味で今回は本当に気ままだ。

この日は、朝のプログラムの座禅に参加した。
ご近所の僧侶がやってきて、座禅の仕方とそれにまつわる話などをしてくれて、実際に座禅をするというプログラム。
短い時間だったけれど、気持ちが良かった。

「調身、調息、そして最後に調心」という話になるほどと思う。
形から入ることは時にはとても重要だと仕事でもコーチングでも思うことが多々ある。

ここのホテルではデジタルデトックスで、携帯電話を預かってくれるサービスがあったり、無線もサロンやワークスペース一定の場所でしか使えないようにしているが、スマホを手放すってどうやら相当難しいようだ。

座禅の場でも、スマホを出しっぱなしの人が何人かいる。
きっと持ってきたカバンに入れるのも嫌なのだろう。
目にはいるところではないと駄目なようだ。これにはちょっとびっくりした。

ホテル周辺の森は山梨市森林セラピーロードに認定されているようで、そちらに行ってみる。
そう長い距離ではないけれど、整備されすぎていない自然が心地いいし、水の音が気持ちいい。

このぐらいの自然で十分なんだけどなぁ‥と思う。
こうして考えると山に行くというのは、結構忙しい。
下調べも必要だし、食事をどうするか、トイレをどうする、荷物をどうするか、といった考えることが山のようにある。
そしてある程度の時間で登って降りてこないと危険をともなうこともあるし、それでなくても休憩を長く取るのも季節によっては身体が冷えてしまってなかなか難しい場合もある。

ここにはそういうのはない。
歩いて少し行けばホテルに戻れるし、クマやマムシの心配もそうんないだろう。もちろん、遭難なんてありえない。
計画性なく自然の中にいられるって有り難いことだ。
(とはいえ、山ならではの、めったに見られない景色を眺めたり、身体を動かしたことによって生ずる充足感、難しいことをやり遂げたという満足感はこういったのんびり散歩とはまた違う魅力がもちろんある)

春は桜がたくさん咲くであろう開けた場所で日光浴。
脇には小さな川があって、水が流れる音がしている。2時間ぐらいここでぼーっとしていたようだ。
風で揺らぐ草、葉が樹からひらひらと落ちてくる、その美しさに見惚れてばかりいた。
そんなものがこれほど美しいとは知らなかった。

こういうのが眺めていられるなら、本など読む気にすらならない。
本を読む?時間の無駄じゃない?と思ったりする。
「教養が大事」なんていう言葉に懐疑的になる。
そうかな?人はまっすぐ死に向かって進んでいるのに?
お金ももっていけないけれど、教養だって死後の世界には持ち込めないんだよね。

と言いつつも、今回は中国の古典「大学・中庸」と「老子」をたっぷりと読んで考えることも多かった。
中国のように広大な大陸を治めるというのは、日本の戦国武将とは全然スケールが違うのだろう。
奇策やテクニックではとても無理。

そうなるとこの本に出てくるような、統治者は「自分の身を修める」ということになるのかもしれない。
自分がきちんとした人間になるとそれが周囲に伝播するということだろう。
ものすごくのんびりした話にも聞こえるが、大きなことをするというのは多分そういうことなんだと一方で思う。

マザー・テレサも、世界平和のために、世界をより良くするために私達は何をするべきか?という質問に、自分の家族を大切にするようにと答えたという話をどこかで読んだが、これも同じだろう。

ホテルの部屋には少し広めのベランダがあり、そこから富士山を眺めることもできるし、椅子とテーブルも用意されている。
ここでボーッとしながら熱いお茶を飲むのも、この滞在でとても気持ちよかったのことのひとつだ。

明るい空にかかる白い月を眺めながらお茶をのんでいると少しずつ辺りが暗くなってきて、そこから月がはっきりと輝き出してくるのがわかった。
こんなに長いこと月を眺めたのは初めてだと思う。







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