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「人間の大地」と「星の王子さま」

サン=テグジュペリの「人間の大地」を読み始めた。

以前、何かの本で登場人物が、この本を薦められているシーンを読んで、少し気になっていた本。
サン=テグジュペリの本は、「星の王子さま」しか読んだことがない。

たくさんの人に愛読される「星の王子さま」が私は少し苦手だ。

この王子様の純粋過ぎる、心がやわらかすぎる感じが、苦手なのだと思う。

ときどき、こういう人に実際に会う。
王子様ほどではないが、なんというか感受性が豊かで、私が見るとなんというかものすごくものの感じ方に無防備な人だ。

私はこういう人に会うとなんだかやっぱり居心地が悪い。
ものすごく心配になる。
こういう人たちは、ものすごく傷つきやすいし傷つき方も深い。
その分、嬉しいことも本当に嬉しいのだと思うが、そのように大きく上下に感情がぶれるのが傍から見ていてとても怖く感じる。

もうちょっと傷つかないようにガードをかためてもいいのじゃないかな
・・・と感じてしまう。

多分、自分だったら耐えられないと思うからだろう

星の王子さまには、同じようなことを感じるので、いい作品だと思うがどうも何度も読み返せないのだ。

一方、「人間の大地」サン=テグジュペリが飛行士として、デビューするところから始まるエッセイだ。
飛行士としての仕事を、自身の操縦で空を飛ぶということが書かれていて、しばらく文学作品を読むことから遠ざかっていた私には、その文章は沁み入るように美しく感じられる。

「星の王子さま」とは印象が随分違うな‥と思い、「星の王子さま」を並行して読み返してみると、今度は星の王子さまに出会うパイロットの側に立って、物語が自然に展開される。

なるほど、これまで読んでいるときは、王子さまの立場で読んでいたんだ‥ということがわかる。
パイロットの立場で、王子さまを見ると王子さまがそこにいるだけで、自分がガードしてしまったいろんなことを思い出したり、感じたりして、それはとても幸せなことのように感じるのだ。
懐かしい、忘れていた場所に戻るような感じ。

本というのは、そのときどきでいろんな読み方ができるんだなぁ‥と改めて実感。

しばらく朝風呂に入りながら、サン=テグジュペリの描く広大な空を眺めるという毎日が続きそう


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