古道具中野商店
お休みに入ると、がくんと生活のペースが落ちるのせいか、読むものも、何となくゆっくりしたものが欲しくなる。
川上弘美の小説を読むというのは、そんなときにかなりぴったりくる選択だと思う。
「古道具中野商店」は、舞台になる中野商店というお店の居心地の良さに、まずは緩められてしまう。骨董屋ではなくて、あくまで「古道具」。
扱うものは、ライター、手塩皿、メンコ、ワンピース、丼など様々の小さなものたち。
この小物達の描写にぐぅっとはまる。
出てくる人たちは、ごく普通と言えば、普通。ちょっと変わっていると言えば、変わっている。こんな奴(現実には)いないだろう・・・という人は出てこなくて、どこかの商店街を覗いたら、現実のどこかを切り取ったら、こういう人達がいる場所があるような気がしてくる。
この人の本は、登場人物の喋る台詞がどれも短い。
人ってそういうものだと思う。頭の中で百のことを思っても、言葉にできるのは二言三言。
時間の流れがゆっくりしていて、でもそれが妙にリアル。
ああ、そう、人って、暮らしの中では本当は案外ゆっくりしているんだよね、と思い出す。
きっと何度かちょくちょく読む本になると思う。
娘にも読ませてあげようと思う。きっと気に入る。

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